超速習 微分積分 計算編
第三回 高等学校数学における積分の基礎
積分の基礎の目的: 数列の漸化式(ゼンカシキ)を解けるようになる
数列
- 数列の表記
- 数列の定義
- 数列: 要素が数の順序列
- 点列: 要素が点の順序列
- 文字列: 要素が文字の順序列
- ベクトル列: 要素がベクトルの順序列
- ...
- 特殊な数列
- 等差数列: 隣接二項間の差が定数の数列
- 等比数列: 隣接二項間の積が定数の数列
- 漸化式(=差分方程式): 項間の関係を表した式
- 漸化式の分類
- 隣接二項間漸化式:
- 定数係数線型隣接二項間漸化式: ... 等差数列や等比数列はここに含まれる(高校教科書レベル)
- 階差隣接二項間漸化式: ... (大学入試レベル:難)p=1の場合(高校教科書レベル)を本回演習で触れる
- 隣接三項間漸化式:
- 定数係数線型隣接三項間漸化式: ... フィボナッチ数列はここ(大学入試レベル)
- 定数係数線型連立漸化式: ... 行列の固有値と固有ベクトルを使って解く(学部数学レベル)
数列の解析手法: 隣接二項間の差と積
Q1.、次の数列を隣接二項間の漸化式で表現し,一般項を求めなさい
- (等差数列)
- したがって漸化式は
- また,
- よって一般項は
- (階差 数列)...前項Q1.1の結果を参照しよう!
- したがって漸化式は
- また,
- よって一般項は
- (等比 数列)
- したがって漸化式は
- また,
- よって一般項は
- 別解法として,
- よって一般項は
Q2.次の漸化式の一般項を求めなさい,漸化式でない場合は漸化式を立ててから一般項を求めなさい
-
-
- 公比が負の値だと,値は振動する.
- ; フィボナッチ数列
補遺1: 定数係数線型隣接二項間漸化式は,完全に解くことができる
- においてとおく.ここで,なら,両辺を引くと
- の時,
- これは,の場合と等しい.
- したがって,
補遺2: 定数係数線型隣接三項間漸化式は,完全に解くことができる
- においてとおく.
- 連立の等比数列となる.
- 両辺を引く.
- で割る.は,二次方程式の解である.
- …(1)
- また、の時、
- したがって、…(2)
- ここで、(1)をとすると、 これは、(2)と等しい
演習.図形の面積と数列の和の関係
予備知識:
- 底辺4、高さ4の直角二等辺三角形の面積を求めなさい
- 底辺n、高さnの直角二等辺三角形の面積を求めなさい
- y≦x (0≦x≦n,y≧0)の領域の面積を求めなさい
- を証明しなさい
- 数列の一般項を求めなさい
- の時、を証明しなさい ... 補遺3
- を求めなさい … 2.と3.の結果と等しいのは、この式が三角形の面積を表していることを意味する(図で解説する)
- とすると、
となることを証明しなさい … 奇数の和は平方数に等しい.Q1の2の計算過程を比較してみよ.また、これが正方形の面積を表していることを解説する
- を証明しなさい
- を求めなさい
- の時,として,を求めなさい
- を求めなさい
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